何故、メーカーがコンサルティングビジネスを目指すのか?

2019年11月29日

東芝デジタル&コンサルティング株式会社
部長 S. O.

どうやればデジタルトランスフォーメーションできるか?
デジタルという言葉の意味が輻輳し、何を指すのかが曖昧模糊になっていく中、とにかくデジタルトランスフォーメーションという言葉が創造と破壊の双方の意味をもって受け入れられ、自ら生み出していくとは言うものの畏怖の念を持たれることも多いのではないだろうか?DXがDeluxeではなく、Digital Transformationの略語(XはTransの略語)だと知る方も増え、一部ではあるが市民権を得つつある。
言葉が市民権を得つつある一方で、「どうやればデジタルトランスフォーメーションできるか?」については暗中模索されている企業が多いのではないだろうか?コンサルティングという看板を掲げている当社も何を隠そう悩みながらも進んでいる状況ではあるが、当社が設立前から取り組んでいるデジタルトランスフォーメーションを企図した取組みが、仔細についてはまだ明かせないながらも、ようやくご紹介できることになり、今後ビジネスケースとして分析されるまでに成長させて行きたいと考えている。
「お客様に何が必要なのか?」についてはメーカーもお客様も悩んでいる
さて、本題に戻ろう。「メーカーがコンサルティングビジネス?」。当然「血迷ったか?」と思われる方も多いとは自認しているが、スペックを磨いてもお買い上げ頂けないという、のっぴきならない事情がそうさせたと思って頂けるとその必然性には一定のご理解を得られるかもしれない。回りくどく「スペック」という言葉を導入させて頂いた。日本では特にシーズドリブンだとか、ニーズドリブンとか言って、「スペック重視」のものづくりが行われてきたことは否めないと考える。使う側(ユーザー視点)に立つと「それじゃ駄目だろう」というのは今や当たり前のことだが、これが中々メーカーに居ると気付くのが難しく、「性能が2倍より4倍、4倍よりも8倍」、「A機能だけではなくBも、さらにはCも」となってしまう。
もちろん能力向上が効率向上すなわち経済合理性に直結する際にはスペックを重視することは何ら悪いことではないが、昨今メーカーには理解が難しい経験価値とかが重要視されるようになると「お客様がブレている」ように思えて手に負えない。
そうなると、「お客様に聞いてしまえ」となるのだが、昨今、死語になったかと思うくらいVoCという言葉を聴かなくなったが、それもそのはず「お客様が何を欲しいのかが分からなくなっている」ことがある。メーカーに心地よいVoCが出てこないのである(出てきてもノイズになることもある)。これは我々東芝デジタル&コンサルティングのオリジンがシステムインテグレーターの東芝デジタルソリューションズであることから、本当にそうなっている場合もある。「お客様の能力が落ちたのか?」というと失礼ながらそういうケースもあるが、そうでないことがほとんどである。では何が起こっているのか?それは、じっくり時間をかけて問題を洗い出し、課題を抽出して、解決策を立案し、良い解法を探索し、費用対効果を見極めながら解決する。「言うは易し行うは難し」である。早くして経営層に参画された方には理解し難い現場の悩みがある。よって「お客様に何が必要なのか?」についてはメーカーのみならずお客様も悩んでいるのが今である。
そうなると、「お客様と一緒に歩んであるべき姿を見つける」というのが近道に見える。じゃ、一緒にやってくれれば良いだけで、「コンサルティングなどは必要ない」となるが、そこで一つ問いを立てさせていただくと、「線形的な改善を繰り返せばデジタルトランスフォーメーションに怯えずに済むのか?」というと「No」という答えが返って来ることと思う。
では、小難しい表現の「線形的な改善」でないものは何か?それはイノベーションである。
結局今のまま続けているとジリ貧になりイノベーションが必要とされる。もちろんここ百年ほどイノベーションが起こっていない業界はある。しかし、そういう中でもデジタルによって確実に変わりつつある業界があるのも事実である。
「デジタルトランスフォーメーションと言っているのにイノベーションと、どんどん横文字を導入してくるな」と思われる方が多いとは思われるが、デジタルトランスフォーメーションとはデジタルを用いたイノベーションによって行われるトランスフォーメーションと言い換えても良いと我々は考えている。
お客様と共にイノベーティブな課題解決を、「技術力」で取り組む
ここで、「デジタルを用いたイノベーションには何が必要か?」でやっとメーカーのお得意のテクノロジーという言葉が導出されてくる。
東芝は、「万般の機械考案の依頼に応ず」として始まった会社であり、機械を形作るのはテクノロジー(技術)であり、技術に立脚して社会課題の解決に邁進してきた。
もちろん、質が悪いのは技術を妄信した技術バカ(東芝にとっては、単なる「技術バカ」は愛すべき人ではあります)であり、世の中を決め付けた技術の押し売りである。それが駄目なのは分かっていて、東芝自身も変わろうとしている。
かなり回り道をしたが、ようやくメーカーがコンサルティングをする理由として、「デジタルトランスフォーメーションが絶え間なく起こる時代に、何が必要なのかが分からなくなっているお客様と課題を探索し、解くべき課題を見定めながら、イノベーションを起こせる技術の導入を一緒になって行わせて頂く必要がある」という事に辿りつく。
我々、東芝デジタル&コンサルティングは創立してまだ間もない会社ではあるが、東芝が世の中を変えられる技術を持つ会社と信じており、お客様と共にイノベーティブな課題解決を、決して空想ではない地に足の着いた「技術力」で取り組むことにより、デジタルトランスフォーメーションを結果的にではなく、狙い定めて形成していきたいと考えている。